2016年9月20日火曜日

自己肯定感は愛によって支えられている


ゆきとどいた教育をすすめる佐賀県連絡会(世話人代表、東島浩幸弁護士)が主催する教育講演会が917()、佐賀市ほほえみ館で行われ、保護者や教員など70人が参加。「自分が自分であって大丈夫 自己肯定感をはぐくむ」と題し、臨床心理士の高垣忠一郎さんが講演しました。

高垣さんは自己肯定感について理解を深めるため、参加者とともに「ぞうさん」をうたいました。「長い鼻」「母さんが好きなのよ」の歌詞にある、自分の特徴、母への愛に自己肯定感を込めます。「私が私であっていいんだと支えているものは愛。こんなだめな僕でも愛してくれているという安心感から生まれる」というところから始まりました。

不登校などの悩みを抱える子どもに接してきた経験から、「今の子どもは辛いことを親に話さないが、それは親に心配をかけるからだ。逆に、親の期待に応えて喜ばせてあげたいと思っている。自分を責めることを止め、自分が自分であって大丈夫だという気持ちになるよう、ダメな部分を見せてもそれを受け止めてあげられるようになることが大切だ」と語りました。

また、「子どもに対して比べグセのついた目で見ると、優劣のついた部分しか見えなくなり、丸ごと我が子を見失ってしまう」と親への注意を促しました。全国各地の「親の会」活動にも関わる高垣さんは、親が抱える苦しい気持ちも出しあい、気持ちを楽にして、こんな自分でもいいんだと受け止めあう共感原理の活動を紹介し、佐賀県でも活動が広がることに期待をこめました。

講演後は参加者を交えた語り合いをおこないました。「子どもについ小言を言ってしまう」と悩む想いを語る母親に対して、高垣さんは「親から早く~しなさいと言われてきた子は指示待ち人間になってしまう。思春期は揺れながら心の中で葛藤している。揺れる間を与えるのも大切」と答えました。個別相談を希望する方も相次ぎ、「自己肯定感は愛によって支えられはぐくまれていることを、心にとめておきたいと思いました」と感想用紙に寄せてくれた参加者もおられました。